リハビリ勉強ノート21 暮らしで役立つ心理学7
今回でこのシリーズ最終回です。
前回まではこちらから
アファメーション
自分の理想や願望、目標などを宣言し、それらを全力で肯定することで潜在意識に働きかけることで、能力を最大限に引き出し成果に結びつけやすくするテクニックです。
人前で宣言するだけでなく、一人でつぶやいたり日記に書いたりするだけでも効果があるとされます。
正しいアファメーションの7つの秘訣です。
- 宣言は必ず「現在形」で行う:~になる ×なりたい
- ポジティブなことを宣言する:~する ×しない
- 宣言は短く
- 自分にぴったりな内容の宣言をする
- 自分が新しいものを創り出していると意識する
- 自分の感情と矛盾するような宣言はしない
- 宣言している時は、できるかぎりその内容を信じる
リハビリにおいては患者さんに目標立ててもらい、実際に言葉にしてもらったり、回復期などでしたら七夕会で短冊に書いてもらうのもいいかもしれません。
もちろんセラピストの自己啓発としても使えます。
自己効力感
自分の力でどんな状況でも結果を出して見せると信じる、自分への有能感です。
結果を出そうと行動する時に「結果予期」(このような行動をすれば、このような結果になるという予測)と「効力予期」(このような結果のために自分なら行動できると確信すること)が必要になります。
自己効力感は効力予期の度合いを示し、高いほど高いモチベーションで行動でき成功に結び付きやすくなります。
自己効力感の先行要因
- 達成経験:自身の成功経験
- 代理経験:他人の成功経験の観察
- 言語的説得:信頼できる人、成功経験者からの能力があるという激励
- 生理的情緒的高揚:気分が高揚していれば根拠がなくても得られる
他人の成功経験でも良いというのは意外ですね。
リハビリ室で他の患者さんの能力が上がっているのを見るというのも効果があるということですね。
課題の分離
心理学に興味がある人なら良く知っていると思われるアドラーの心理学の中心を占める考え方です。
自分と他人の課題をわけ誰の課題であるのかはっきりさせることが対人関係において重要だとされます。
リハビリ職種特に真面目な人ほど患者さんとの関係において共依存になったり感情移入しすぎたりしてメンタルダウンになることがあります。
課題の分離の観点から言うと、患者さんの社会や生活への復帰のための自分ができうる最大限の援助をするのはリハビリ職種の課題ですが、その援助を受けてどのように先に進んでいくのかは患者さんの課題になります。
患者さんの課題に入り込みすぎることは自立を阻害し、到達可能なゴールへ導くことを困難にします。
まだご存じない方でアドラーの心理学に興味を持たれる方はぜひベストセラー
を一読されることをおススメします。
長くなりましたが、今回で心理学の勉強はいったん終了したいと思います。
何かお役にたてたでしょうか!?
次回のリハビリ勉強ノートはまた新たな課題に取り組んでいきたいと思います。