リハビリ勉強ノート20 暮らしで役立つ心理学6
リハビリ勉強ノートも第20回
今日も暮らしで役立つ心理学の続きです。
前回までの内容はこちら
1.ヤーキーズドットソンの法則
動機づけが弱すぎてもも強すぎても学習効果は下がってしまうというものです。
学習においては有名な法則かもしれません。
実線のグラフが難しい課題で横軸が動機づけ、縦軸がパフォーマンスです。
リハビリは課題の難易度設定が非常に重要だと考えています。課題が簡単すぎてもADLなどの能力は向上しませんし、難しすぎても代償が増えてしまい目的とした効果が得られません。
アセスメントから適切な課題設定をすることが大切です。
これはリハビリだけでなく教育やスポーツなど学習を必要とする場面全般でいえることです。
そのような場面、立場となった際は思い出して活用してみて下さい。
2.逆制止
不安や恐怖に対して、それとは全く逆のリラックス状態を作り出そうとすことでそれらは解消しようとするもので、様々な方法があります。
- 主張的反応:冷静に自分が感じている恐怖や不快感を主張することで、その恐怖や不快感がやわらぎます。
- 全身的筋弛緩法:体に力を入れて、緊張している感覚を意識できたら、一気に力を抜きます。意図的に体をリラックスさせる感覚をつかみます。
- 自律訓練法:リラックスした状態で、6つの公式を順番に意識して、ストレスや緊張をやわらげる催眠療法の一種
参考までに6つの公式は
背景公式 気持ちが落ち着いている
第1公式 四肢重感練習(手・足の力が抜けている)
第2公式 四肢温感練習(手・足が温かい)
第3公式 心臓調整練習(心臓が静かに規則正しく脈打っている)
第4公式 呼吸調整練習(呼吸が楽だ)
第5公式 腹部温感練習(胃のあたりが温かい)
第6公式 額部涼感練習(額が涼しい)
となっています。それぞれ注意事項があるので詳しく知りたい方はこちらへ
【自律訓練法のポイント】自律神経のバランスをとりリラックスするトレーニング | NHK健康チャンネル
リハビリでは姿勢が不安定な患者さんなどは恐怖や緊張を感じやすいです。
恐怖感や緊張の度合いなど実際に説明してもらい主張的反応を引き出すこと、全身的弛緩法の応用として動作や視覚など特殊感覚ではなく体性感覚に注意を向けて安定感を感じてもらうことなどが有効だと思います。
自分が緊張する場面でも用いてみるといいですね。
3.ペルソナ・ペインティング
ユングによると人が他人に対して見せている人格は、すべてさまざまな状況・役割に応じたペルソナ(仮面・人格)であり、人はそれぞれの場面によって別々のペルソナを使い分けているとされています。
何を言われてもその道のプロになりきって対応することをペルソナ・ペインティングといいます。
リハビリだけでなく、職場や生活の中で相手の態度から様々なストレスを受ける場面が多いと思います。
なりきることで冷静に対応できるだけでなく、ストレスを受けるのも本来の自分ではない別のペルソナになるという利点もあります。
対人関係で疲れないようにこうしたテクニックを利用してみましょう。
暮らしで役立つ心理学シリーズは次回で終了予定です。
またランオフのリハビリ勉強ノートにご期待下さい。
本日も一読いただきありがとうございました。