リハビリ勉強ノート⑭ 感覚と知覚の違いと運動との関係
今日はランニングから離れてリハビリの勉強を!
僕が仕事であるリハビリ(理学療法)の臨床を行う上で、大事していることの中に患者さんがどう感じているかということがあります。
これは自分が運動する上でもそうです。
「動かす」というよりも「感じる」という意識。
外部から入力された刺激の情報処理は感覚、知覚、認知の段階に分けられます。
- 感覚
皮膚などの感覚器が刺激によって生じる意識でもっとも低い段階
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、内臓感覚、体性感覚などがある
※体性感覚:皮膚や粘膜、筋、腱、骨膜、関節、靭帯などにある受容器が刺激されて感じる感覚(触覚、圧覚、振動覚、痛覚などがある)
- 知覚
いくつかの感覚の情報が統合されたもの
- 認知
知覚されたものを認識する働き
何か物体を持つ際に感覚されるのは温度や触れた感触、皮膚の変形による圧力、持ち上げるために働く筋肉がの伸ばされる感じ、関節の角度などの感覚
それらが合わさって重いとか丸いだとかのその物体の質が分かります。
さらにそれが過去の記憶などと合わさってボールだとか投げるものだとかいうように認知されます。
よく運動が得意な人のことを運動センスがいいなどいいますが、
センス=感覚ということで、
運動をするためには感覚が重要な因子となるわけです。
我々は動くときに、たとえ机の上のペットボトルを取る時とマシュマロを取る時では力の入れ具合や握り方、手の伸ばし方まで全部違いますが、意識してやってはいません。
脳卒中などで脳の機能が障害された場合、同じように動作がぎこちなくなっても、感覚が障害されているのか、知覚がうまくいっていないのか、認知できていないのかではリハビリの方向性が変わってきます。
また、うまくいかない動きを頑張って動かそうと力んでしまうことでより筋肉の収縮をコントロールできなくなり、先ほどの例でいうとマシュマロを力いっぱい握りつぶしてしまうことになります。
これらは脳の障害で起こりますが、正常な脳でも使わないことで感覚のために働く脳の部位が少なくなってしまったり、おおざっぱにしか働かなくなってしまいます。
手の作業でいえばより指先で細かい違いを認識できた方がより円滑な作業ができることでしょう。
意外と自分の思ったように体を動かすのって難しいです。
日常生活の中で感覚を磨く訓練としては健康な人では普段右手でやっていることを左手でやってみるといいでしょう。
僕のおススメは歯磨きですが、歯磨きでは歯ブラシを持っている側の奥歯の磨き残しが多いことが分かっていますが、まず反対の手に持ち替えて歯磨きする人は少ないですよね。
やってみるとすごい難しい!
一生懸命鏡を見てやるよりは手と口の感覚だけでやってみて、思った通りできているか時々鏡でみて修正してみるとよいでしょう。
しばらく続けていると普段使っていない側の手の感覚、それだけではなく、体の感覚や姿勢まで変わってきます。
以前記事にしたボディースキーマが更新されているのですね。
そう頑張ってトレーニングや勉強ばかりしないでも身体は変わるし、使い方も上手になるし、頭も使えるんです。(ただし痩せたい人は食事制限するか運動してカロリー消費してください。)
ぜひ皆さんも生活の中でちょっとした脳の一工夫に挑戦してみてください!