リハビリ勉強ノート27 新型コロナを正しく恐れよう!感染症について6
感染症の基礎続き、今日は治療について
前回まではこちらから
感染症の治療
感染症発症後の治療には一般療法と化学療法(抗菌薬を用いた特異的な治療法)があります。
一般療法
状態の改善や症状の緩和を目的とする治療法で以下に分類されます。
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一般療法
栄養、水分、安静、精神状態など全身状態の管理です。
栄養低下時は免疫の低下により感染しやすくなります。
食欲低下時は食べやすい、消化のよい食べ物を取るように心がけます。
ひどい場合には固形物を避け、ゼリーやスープなどで栄養を取るようにするとよいでしょう。
発熱、頭痛など痛みにより食欲が低下している場合は、抗炎症薬を使用するなど次項の対症療法も併用します。
安静、保温、清潔も重要です。
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対症療法
高熱や痛みの持続は苦痛によるストレスや体力の消耗につながり、感染症の治療効果を弱めてしまいます。
適切な解熱鎮痛薬の使用が必要となります。
しかしながら炎症を抑えることは感染症の症状を抑えることになり、適切な診断を困難にし、治療を遅らせることになります。
また、副作用をもたらすこともあり、使用は慎重に行う必要があります。
感染症の病態により脱水が起こることがあります。
特に下痢、嘔吐が続くと電解質異常を起こすため、水分とともに塩分やカリウムを補充できるような補給が必要となります。
嘔吐により栄養や水分がとれない場合は点滴による補給が必要なため、直ちに病院を受診しましょう。
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外科的療法
感染した場所が臓器の深部であったり、血行の乏しい場所であったりすると内科的治療は困難なため外科的な治療が必要になります。
切開であったり、ドレーンといわれるチューブを挿入したりする必要があります。
必要かどうかは外観から明らかな場合もありますが、多くの場合画像診断が必要です。
この場合当然病院での治療になります。
新型コロナのような呼吸器感染症で二次的にでもこの治療が必要になる機会はかなり稀といえますので、一般療法、対症療法が中心となります。
化学療法
病原生物に直接作用する治療法です。
化学療法が有効な病原体は寄生虫、原虫、真菌、細菌などで、ウイルスに有効な化学療法薬は少ないです。
しかしながらインフルエンザウイルスにはインフルエンザ治療薬があり、逆に細菌でも多剤耐性菌が出現しています。
今のところ新型コロナに有効な化学療法薬はありません。
だからこそ予防が重要になります。
また、自分が子どもの頃にはインフルエンザ治療薬も存在せず、大人も子供もみな一般療法、対症療法で治していました。
早期から適切な対応をして重症化させないということも重要です。
治療薬や予防薬が開発されれば安心して元の生活に戻れるようになるのではないでしょうか。
その日まで社会で協力し合ってウイルスに対処していけるといいですね。