リハビリ勉強ノート31 オスグッド病とリハビリについて
長く続いた感染症シリーズも前回で終了。
今回からはまた新しい内容について勉強していきたいと思います。
ありがたいことにブログの読者の方が時々質問や相談をいただくことがあります。
直接メールにて回答させていただいていますが、中にはちゃんと返信できているのか、その後の反応がなく不明なこともあり、これからのリハビリ勉強ノートの中ではその内容についてブログでも取り上げて、うまく返信できなかった方にもお届けできるようにしたいと思います。
今回は
オスグッド病について
オスグッド病の競技復帰や競技持続についての質問でした。
オスグッド病とは
小学校高学年から中学の発育期の膝下の脛の骨(脛骨粗面)が徐々に突出し、痛みを生じるものです。
スポーツでのジャンプ動作やボールをける動作の繰り返しにより生じます。
安静で痛みは軽減し、スポーツ再開で痛みも再発することが多いのが特徴です。
競技としてはサッカー、バスケ、バレーなどに多く見られ、性差では男子が多く、女子の発症年齢はやや低いとされます。
原因
成長期の骨と筋肉の不均衡により、骨が急速に発育することで筋肉の付着部にストレスがかかりやすくなることとoveruseが主な要因です。
治療
手術療法と保存療法がありますが基本的には保存的治療で経過は良好です。
保存的治療には
- 安静
- アイシング
- ストレッチ
- 装具療法
などがあります。
今回の質問では
まず競技の持続について
痛みを我慢できる範囲で持続することは可能ですがおススメはしません。
症状を長期化させるや二次障害(他の部分のケガ)ことにつながるからです。
痛みに変動がある場合、痛みがないときは行っても良いでしょう。
次に競技復帰について
約半年ほどの安静で競技復帰が可能です。
ストレスのかかりやすい骨端線が安定してきたり、成長も最も著しい時期を脱するのにそれぐらいの期間がかかるからでもちろん個人差があります。
競技の再開、持続ともにリハビリというかコンディショニングが必要です。
- ストレッチ:発症者は大腿直筋とハムストリングスの硬さが強いことが指摘されています。大腿直筋(太ももの前の筋肉)とハムストリングス(太ももの後ろの筋肉)を伸ばします。その際は反動をつけない静的ストレッチでゆっくりと長い時間、呼吸をしながら伸ばします。時間は最低でも1回30秒以上、できれば2~5分は行った方がよいでしょう。家庭でやられる場合、だいたい時間が短すぎることが多いです。特に運動後のダウンのストレッチは欠かさないようにします。
- アイシング:運動後は必ず冷却します。ダウンの後で良いです。運動後以外は熱感などなければ冷却の必要はありません。
- 筋力トレーニング:発症者の傾向として内側広筋の筋力が弱いことが指摘されています。四頭筋セッティングといわれる等尺性の運動(関節運動を伴わない筋肉の収縮)で行います。足を投げ出して座り膝の下に丸めたタオルなどを置いて押しつぶします。
- 姿勢の改善:猫背などで姿勢が悪く立った姿勢で骨盤後傾していると、足の前方の筋肉の大腿直筋にストレスがかかりやすい状態になります。鏡を見たり、壁に踵、お尻、肩甲骨、後頭部をつけて真っすぐに立ってみて、自分の姿勢が猫背になっていないか、どれぐらい背筋を伸ばしたらよいか確かめてみましょう。チューブなどを手で下から上に引っ張るような背筋(正確には僧帽筋下部)のトレーニングも効果があるでしょう。
その他ですが、装具も筋の付着部へのストレス軽減には大変有効です。
市販でも手に入るのでぜひ活用しましょう。
オスグッドは成長期一時期の疾患なので上手に付き合って、その後も競技を楽しめるように対処をしましょう!