リハビリ勉強ノート⑧ 尿量と水分摂取(インアウトバランス)について
今回のリハビリ勉強ノートは尿量について
脱水症の回で脱水になると「オシッコ」の量、医学用語でいうと尿量が減少することをあげました。
この尿量。医療においては治療のかなり重要な指標になります。
まず、尿とは何のためにあるのかとういことから
人間の体を一定の状態に保つためには、体内の水分や塩分、糖分などが一定であり、アンモニアなど体の中で作られる老廃物が体の外に排出される必要があります。
その役割を果たすのが尿であり、水分の量を調整し、その水分とともに老廃物の体外排出を行っています。
正常では
回数 日中5~7回(日中3~5時間おき)
1回量 200~400ml(コップ1~2杯、時間にして20~30秒)
1日正常尿量 1000~1500ml(400ml以下で乏尿、100ml以下で無尿といわれます。)
これは循環血液量や臓器血流量の指標となっており、集中治療室など重症患者の管理では1ml/kg/時間以上(最低でも0.5ml/kg/時間)となるように補液(点滴を入れる)や利尿薬(尿が出やすくなる薬)、昇圧薬(血圧を上げる薬)を使います。
手術後や重症感染症ではこれらの管理が非常に重要でこれらによりリハビリ内容もかわってきますが、ここでは専門的な内容はおいといて皆様が参考にできることを!
なぜ1日にこれぐらいの尿量が必要になるかというと
体に入る水分が(イン)
食物+飲料水+代謝水(体の中で作られる水分)
これがだいたい
800+1200+300=2300ml
体から出る水分が(アウト)
尿+便+不感蒸泄(汗や呼吸などで体から出る水分)
これがだいたい
1300+100+900=2300ml
でインとアウトのバランスが取れることになります。(これをインアウトバランスという)
なので1日2Lぐらい水分とらないといけないとか尿が5~7回でないといけない(頻尿だと1回の尿量が少ないのでこの限りでない)というのはこのためです。
これに運動が加わると暑さや運動強度にもよりますが1時間で最大2Lの水分を喪失するといわれています。
当然1回に多くの水分をとっても吸収できる量は限られるので15分や30分おきなどこまめに水分補給をすることが重要です。
このインアウトバランスが極端にインに傾くと水中毒になり、心臓や腎臓に問題がある人だと心不全になったりします。
また、極端にアウトに傾くと脱水ということなります。
体内の循環血液量が減少すると尿量が減少して濃縮して色が濃くなるので、これからも脱水の徴候がわかります。
・長い時間排尿の間隔があいている
・尿量が減少している
・色が濃縮している
などに気づいたら早めの水分摂取に心がけましょう。
夏場の脱水しやすい時期は体重測定も有効な情報となるでしょう。
尿量(オシッコの量)や体重の増減を参考に水分摂取を行い、脱水に気を付けて夏場を乗り切りましょう😉